増資手続き
株式会社の増資手続きの場合、出資者より払込を受けて新たに株式を発行する形で行う有償増資である「第三者割当増資」と「株主割当発行増資」の2つの方法があります。
株主割当発行増資とは?
現在の株の割合に応じて、既存株主に平等に株式を割り当てる増資のことです。 例で考えてみると、下記のようなケースです。
- 株主A100株:株主B50株 = 2:1 → 1株1万円の会社の場合、現在の資本金150万円
- 株主A50株増資:株主B25株増資 = 2:1 → 今回の増資により、資本金225万円となる。
上記の場合、既存の株式割合と同じ割合で割り当てていますので、株主割当増資となります。
第三者割当増資とは?
現在の株の割合に関係なく、既存の株主若しくは第三者に割り当てる増資のことです。例で考えてみると、下記のようなケースです。
- 株主A100株:株主B50株 = 2:1 → 1株1万円の会社の場合、現在の資本金150万円
- 株主A25株増資:株主B50株増資 = 1:2 → 今回の増資により、資本金225万円となる。
上記の場合、既存の株式割合と異なる割合で割り当てていますので第三者割当増資となります。
当然、増資の際に既存株主以外(第三者)が入る場合には、既存割当割合を守ることが出来ないわけですから、全て第三者割当増資となります。
増資にかかる費用と必要書類
増資手続き費用
- 登録免許税3万円(若しくは、増資金額の1000分の7)
- 報酬 42,000円
増資手続き必要書類
- 株主総会議事録
- 取締役決議書(取締役会設置の場合、取締役会議事録)
- 株式申込書(株主全員分作成する必要があります。)
- 払込証明書(下記通帳のコピー3枚を合綴して各ページに会社代表印で割印を押します。)
- 株式引受人の名前、払込金額がわかるページ
- 通帳の表裏表紙
- 口座番号、支店名がわかるページ(開いて1 ページ目)
- 資本金の額の計上に関する証明書
- 変更登記申請書
増資手続き株主総会議事録記載例:
第1号議案 募集株式の発行に関する件
議長は、下記要領により募集株式を発行することにつきその承認を求めたところ、満場異議なくこれを承認可決した。
記
1.募集株式の数 普通株式 ○○株
2.募集株式の発行方法 第三者割当てとする。
3.募集株式の払込金額 1株につき金1万円
4.募集株式と引換えにする金銭の払込期日 平成○○年○○月○○日
5.増加する資本金の額及び資本準備金の額
資本金 金○○万円 資本準備金 金○○万円
6.払込取扱金融機関 ○○銀行株式会社○○支店
※印鑑登録証明書は不要です。
ご注意
払込証明書の通帳のコピーは「法人の通帳」です。
会社設立時は個人の通帳のコピーでしたが、増資手続の際には既に会社が出来上がっているわけですから、個人口座への払込ではなく、当然法人口座への払込になります。会社設立時と同様に考えて誤解してしまう方がいらっしゃいますので、ご注意下さい。
増資の前に!発行可能株式総数は把握していますか?
履歴事項証明書に記載してある御社の発行可能株式総数にご注意ください。
発行可能株式総数を超えることになる増資の場合には、まず別途定款変更及び変更登記手続きにて、発行可能株式総数の変更が必要になります。(その場合、増資手続きとは別に登録免許税3万円が必要になります。)
増資手続きの前に必ず御社の定款・履歴事項証明書にて、現在の発行可能株式総数をご確認下さい。既存の有限会社や発行可能株式総数いっぱいに株式を発行している会社の増資の場合は、事前確認の必要があります。
発行可能株式総数変更手続き必要書類
- 株主総会議事録
- 変更登記申請書
発行可能株式総数変更手続き実費
- 登録免許税3万円(若しくは、増資金額の1000分の7)
- 報酬 21,000円
注意事項
公開会社(株式の譲渡を制限していない会社)の場合は、「発行可能株式総数は、発行済株式総数の4倍を超えてはならない」と定められていますのでご留意ください。(例 発行可能株式総数4000株、発行済株式総数1000株の場合、発行可能株式総数を増加することは出来ず、一旦、発行済株式総数を増やし(つまり増資し)、その上で発行可能株式総数を変更する必要があります。)
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